X線と大強度レーザーを用いた真空の複屈折の測定

近年、レーザーの大強度化の進歩は著しく、非常に高いエネルギー密度を実現するようになっています。この結果、レーザー自身の作る場が真空の偏極を引き起こし、真空の屈折率が局所的に変化したり異方性を持つと予想されています。真空の屈折率の変化は微小なため、精度の良いX線を利用しないと検出できません。われわれは自由電子レーザー(SACLA)からのX線を利用して検出を試みています。

SACLAの実験ハッチ内に設置された実験装置。

レーザー場による真空の変化は、1)X線が真空中で微小回折を起こすこと、2)X線が真空中で偏光変化を起こすこと、の二種類の効果で検出可能です。われわれはこれまで、X線の微小回折を探すことで真空の変化を探索してきました。これからは、偏光変化の効果も組み合わせて探索していく予定です。

発表資料